「経済産業省の補助で、スクールの受講料が最大70%安くなるらしい」と聞いて、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」について、誰が使えるのか、いくら安くなるのか、IT・AIの講座をどう探せばいいのかを、公式サイトの情報をもとにやさしく整理しました。
※この記事の内容は、2026年11月時点の公式情報にもとづいています。補助の条件や講座の内容は、申し込む前に必ず各事業者にご確認ください。
結論:転職を考えている在職中の人なら、受講料が最大70%安くなる
先にポイントをまとめます。
- 対象:いま会社に雇われていて、勤め先が変わる転職を目指している人
- 補助の額:講座を修了すると受講料(税別)の1/2(上限40万円)。さらに、転職して1年間働き続けると1/5(上限16万円)が追加。合計で最大70%・56万円
- 受けられるサービス:キャリア相談・講座の受講・転職支援がセット。キャリア相談と転職支援は無料
- IT・AIの講座:公式の検索ページで、AI・機械学習なら38件、プログラミングなら51件の事業者が見つかります(2026年8月時点の掲載情報)
「いまの職場で働き続けたい」という方には、厚生労働省の教育訓練給付金のほうが合っています。2つの制度のちがいは、記事の後半で表にまとめています。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業とは?
経済産業省が行っている事業で、「キャリア相談」「リスキリング(学び直し)」「転職支援」をひとつながりで受けられるしくみです。
ポイントは、補助金が受講者本人ではなく、講座を提供する事業者(スクールなど)に支払われることです。そのぶん、受講者が払う金額が安くなります。
経済産業省は2026年10月に、この事業の期間を1年延長すると発表しています。
補助はいくら?受講料別の早見表
補助は2段階に分かれています。
- ①講座を修了したとき:受講料(税別)の1/2(上限40万円)
- ②その事業者の紹介で転職し、1年間働き続けたとき:追加で受講料(税別)の1/5(上限16万円)
よくある受講料で、自己負担がいくらになるかを計算しました。表の金額は「補助の額 → 実質の負担」です。
| 受講料(税別) | ①修了したとき(50%) | ②転職して1年働いたとき(70%) |
|---|---|---|
| 30万円 | 15万円 → 実質15万円 | 21万円 → 実質9万円 |
| 50万円 | 25万円 → 実質25万円 | 35万円 → 実質15万円 |
| 80万円 | 40万円 → 実質40万円 | 56万円 → 実質24万円 |
| 100万円 | 40万円(上限) → 実質60万円 | 56万円(上限) → 実質44万円 |
※補助は税別の受講料をもとに計算されます。消費税は別にかかります。
※実際の値引きのタイミング(申し込み時に安くなるのか、あとから戻ってくるのか)や金額は、事業者によって異なります。
公式の検索ページには、各事業者のおすすめ講座が「定価」と「追加補助適用時の価格」で載っています。たとえば、定価20.3万円(税別)のIT系の研修が、追加補助を適用すると6.09万円(税別)、という形です。
使える人・使えない人
この事業は「転職によるキャリアアップ」を応援するためのものなので、対象になる人がはっきり決まっています。
| チェック項目 | 対象になる人 | 注意が必要な人 |
|---|---|---|
| 働き方 | サービスへの登録時と、最初のキャリア相談のときに、会社に雇われている人 | いま働いていない人、フリーランス・個人事業主の人は、事業者に確認を |
| 転職の意思 | 勤め先が変わる転職を目指している人 | いまの職場で働き続けたい人(→教育訓練給付金が候補) |
| 追加の20% | その事業者の職業紹介で転職した人 | 自分で見つけた会社に転職した人は、追加分の対象外 |
特に気をつけたいのが、追加の20%は「事業者の紹介を通じた転職」に限られる点です。公式サイトでは、本事業の「転職」を、補助事業で行われた職業紹介による転職か、転職支援をする事業者が自社で雇う場合と定めています。
一方で、最初の50%は「講座を修了したとき」に補助されるので、結果的に転職しなかった場合でも、50%分の補助は受けられるしくみです。
IT・AIの講座の探し方|公式の検索ページを使おう
補助を受けられる事業者は、経済産業省の公式サイトにある「補助事業者を探す」ページで調べられます。
1. 「補助事業者を探す」ページを開く
公式サイト「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の「転職をご検討の方」から、「補助事業者を調べる」を選びます。
2. 学びたいスキルで絞り込む
「スキルの分野から絞り込む」で、学びたい分野を選んで「検索する」を押します。IT・AI系なら、次のような分野があります。
| スキルの分野 | 見つかる事業者の数 |
|---|---|
| ITリテラシー・基礎スキル | 73件 |
| プログラミング・ソフトウェア開発 | 51件 |
| Webデザイン(UI・UXデザインなど) | 51件 |
| デジタルマーケティング | 47件 |
| AI・機械学習 | 38件 |
| 統計・データ分析 | 33件 |
| クラウドコンピューティング | 22件 |
※2026年11月に編集部が公式の検索ページで調べた件数です。検索ページに載っている情報は2026年8月時点のもので、事業を始めているすべての事業者が検索できるわけではありません。ほかの事業者は、公式サイトの「事業開始事業者一覧」で確認できます。
3. 気になる事業者の「詳細を見る」から申し込む
検索結果には、対象者の例、転職先の例、おすすめ講座と価格が載っています。気になる事業者があれば、「詳細を見る」から事業者のサイトに進んで、講座の内容や申し込み方法を確認しましょう。
申し込みから補助までの流れ
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 事業者を選ぶ | 公式の検索ページで、学びたいスキルに合った事業者を探す |
| 2. キャリア相談 | キャリアコンサルタントなどと、これまでの経験の棚卸しや目標を整理する(無料) |
| 3. 講座を受講 | 相談をふまえて講座を選び、受講する。修了すると1/2の補助 |
| 4. 転職支援 | 転職に向けたサポートや、求人の紹介を受ける(無料) |
| 5. 転職して1年 | 事業者の紹介で転職し、1年間働き続けると、追加で1/5の補助 |
教育訓練給付金とのちがい|どっちを使うべき?
| リスキリング支援事業(経済産業省) | 教育訓練給付金(厚生労働省) | |
|---|---|---|
| 戻ってくる割合 | 最大70%(上限56万円) | 20%〜最大80%(講座の種類による) |
| 転職は必要? | 転職が前提(ただし50%分は修了でOK) | 必要なし |
| 対象になる人 | 在職中で、転職を目指す人 | 雇用保険に一定期間入っている人など |
| お金の受け取り方 | 事業者に補助され、受講料が安くなる | 修了後に、ハローワークから本人に支給 |
| キャリア相談・転職支援 | セットで受けられる(無料) | 受講前のキャリアコンサルティングが必要な種類あり |
ざっくり分けると、次のように考えるとわかりやすいです。
- 転職まで見すえて、相談や求人紹介もまとめて受けたい人 → リスキリング支援事業
- いまの職場で働きながらスキルアップしたい人 → 教育訓練給付金
なお、同じ講座で両方の制度を使えるかどうかは、公式サイトには明記されていません。両方を検討している方は、申し込む前に事業者に必ず確認してください。
教育訓練給付金を使った場合の負担額は、教育訓練給付金でIT・AIスクールは実質いくら?受講料別の早見表で計算してみたで詳しく紹介しています。
申し込む前に確認しておきたい4つのこと
1. 補助のしくみ(値引きか、あとから戻るか)
補助の受け取り方は事業者によって異なります。申し込みの時点でいくら払うのか、あとから戻ってくるのかを確認しておきましょう。
2. 転職支援の内容と、紹介される求人の分野
追加の20%は、その事業者の紹介で転職した場合に限られます。自分が目指したい業界や職種の求人を扱っているかを、事前に聞いておくと安心です。
3. 受講期間と、修了の条件
最初の50%は、講座を修了することが条件です。働きながら無理なく終えられる期間か、修了の条件(課題や出席など)は何かを確認しましょう。
4. 教育訓練給付金との関係
同じ講座が教育訓練給付金の対象にもなっている場合、どちらの制度を使うのがよいか、併用できるのかを確認しておきましょう。
まとめ
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、転職を考えている在職中の人にとって、学び直しの費用をぐっと抑えられる制度です。キャリア相談と転職支援が無料でついてくるのも心強いポイントです。
一方で、追加の20%は事業者の紹介を通じた転職に限られるなど、細かい条件もあります。まずは公式の検索ページで気になる事業者を見つけて、無料のキャリア相談で条件を確かめるところから始めてみてくださいね。
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参考にした公式情報
- 経済産業省「転職をご検討の方|リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」
- 経済産業省「補助事業者を探す|リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」
- 経済産業省「事業期間の1年間の延長について」


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