「この講座、気になるけど……教育訓練給付金って使えるのかな?」
受講料が数十万円するスクールも多いので、少しでも負担を減らせるなら知っておきたいですよね。でも、制度の名前もややこしくて、どこで調べればいいのか分かりにくいと感じる方も多いと思います。
安心してください。講座が給付金の対象かどうかは、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」を使えば、無料で、5分ほどで確かめられます。
この記事では、編集部が実際に検索システムを使ってみた画面をお見せしながら、働きながらオンラインで学べる講座の探し方と、つまずきやすいポイントを一つずつ解説していきます。
先にポイントだけ知りたい方へ
- 対象講座は、厚生労働省の検索システムで無料で調べられます
- オンライン講座を探すときは、実施方法の「通学」のチェックを外して「通信」にチェックを入れましょう(最初は「通学」だけにチェックが入っています)
- 気になる講座が見つかったら、「詳細を見る」で指定期間と過去の実績を確認しましょう
- 自分が給付金を受け取れるかどうかは、最後にハローワークで確認すれば大丈夫です
※本記事の内容は、2026年11月7日時点で確認した情報です。
まずはおさらい:教育訓練給付金には3つの種類があります
検索システムを使う前に、少しだけ制度のおさらいをさせてください。教育訓練給付金には3つの種類があって、種類によって戻ってくるお金の割合(給付率)が大きく変わります。検索結果にもこの3つの区分が表示されるので、ここを知っておくと結果がぐっと読みやすくなりますよ。
| 種類 | 基本の給付 | 条件を満たした場合の最大 |
|---|---|---|
| 専門実践教育訓練 | 受講費用の50%(年間上限40万円) | 70%(年間上限56万円)→ さらに80%(年間上限64万円) |
| 特定一般教育訓練 | 受講費用の40%(上限20万円) | 50%(上限25万円) |
| 一般教育訓練 | 受講費用の20%(上限10万円) | ― |
専門実践の70%は「資格の取得などをして、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合」、80%は「さらに修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がった場合」に受け取れる給付率です。上乗せの給付率は、2024年10月以降に始まる講座が対象になっています。
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(2026年11月7日確認)
検索システムで対象講座を調べてみよう
ここからは、実際の画面を見ながら一緒に進めていきましょう。
手順1:検索システムを開く
厚生労働省の教育訓練給付制度 検索システムを開いて、「講座・スクールを探す」を押します。
手順2:気になる言葉を入力する
「フリーワードで検索する」の欄に、学校名や講座名、学びたい分野(一部だけでも大丈夫です)を入力します。入力するときのコツは2つです。
- 全角で入力する(例:「AI」「Python」)
- スペースで区切って3単語まで入れられる
手順3:「通信」にチェックを入れる(ここが一番大事です)
実は、ここに大きな落とし穴があります。検索画面を開いたばかりのときは、実施方法の「通学(昼間)」「通学(夜間)」「通学(土日)」の3つだけにチェックが入っているんです。

このまま検索すると、オンラインで受けられる講座は結果に出てきません。「対象の講座が全然ない……」とがっかりしてしまう前に、ここだけは必ず確認してくださいね。
お仕事をしながら自宅で学びたい方は、「通学」のチェックを外して、「通信(郵送)」「通信(eラーニング)」にチェックを入れましょう。

もちろん、通学の講座も候補に入れたい方は、すべてにチェックを入れたままで大丈夫です。
また、オンライン講座を探すときは、「地域」は選ばずにそのままにしておくのがおすすめです。地域で絞り込むと、全国どこからでも受けられる講座まで見えなくなってしまうことがあります。
手順4:必要なら条件を絞り込む
検索画面では、ほかにもこんな条件で絞り込めます。最初は「指定なし」のままでも十分ですが、こだわりたい点があれば使ってみてください。
- 訓練期間・訓練経費:学ぶ期間や予算がある程度決まっている方に
- 就職・在職者率(特定一般・専門実践のみ)
- 目標資格の取得率
- 講座修了後の賃金の状況:「賃金が上昇している者の割合が高い講座」を選べます
何と入力すればいいか思いつかないときは、画面の下にある「分野・資格名を指定する」から、分野や資格を選んで探すこともできますよ。
検索結果の見方
検索結果には、講座ごとに「専門」「特定一般」「一般」の区分が表示されます。この区分で給付率が変わるので、まずはここをチェックしてみてください。

給付率が高い講座から見ていきたいときは、結果の上にある「制度で絞り込み」で「専門実践教育訓練」だけにチェックを入れて、「絞り込む」を押しましょう。

ひとつ知っておいてほしいのが、同じスクールでも、講座や受け方によって区分が違うことがあるという点です。編集部が調べたところ、あるスクールでは通学の講座は「一般(20%)」、eラーニングの講座は「専門実践(最大80%)」でした。スクールの広告で「最大◯%」と見かけたら、それがどの講座の話なのかを検索システムで確かめておくと安心です。
「詳細を見る」で確認しておきたい3つのポイント
気になる講座が見つかったら、「詳細を見る」を押してみましょう。たくさんの情報が並んでいますが、まずは次の3つだけ押さえておけば大丈夫です。
ポイント1:指定期間
給付金の対象になるのは、受講を始める日が「指定期間」の中に入っている場合だけです。検索システムには、指定期間がまだ始まっていない講座も載っているので、ここは見落とさないようにしましょう。受講を始める日が期間内かどうかは、ハローワークや受講予定のスクールにも確認しておくと確実です。

ポイント2:給付率と費用
詳細ページには、その講座の給付率(例:「最大80%(年間上限64万円)」)と、入学料・受講料の内訳が載っています。給付金は、受講費用の一部があとから戻ってくるしくみです。最初はいったん全額を支払うことになるので、そのつもりで準備しておくと慌てずにすみます。
ポイント3:過去の実績
詳細ページの下のほうには、「過去の実績」として、直近3年度分のこんな情報が載っています。
- 受講修了者数
- 講座修了後の賃金の状況
- 受講を始めたときの就職状況
- 受講した人が感じた講座の効果
- 講座の全体評価(満足度)
実際に受講した人の答えをまとめたものなので、口コミに近い参考情報として役に立ちます。見るときは、次の2つを意識してみてください。
- 何人分のデータか:修了した人や答えた人が数名だけだと、たまたまの結果かもしれません
- 3年分そろっているか:新しい講座などは、実績が一部しか載っていないことがあります
では、実際にどれくらいの講座に実績が載っているのでしょうか。編集部では、オンラインで受けられる講座(実施方法が「通信」)から400講座を無作為に選び、詳細ページの「過去の実績」を1件ずつ確認してみました。
| 確認したこと | 割合 |
|---|---|
| 3年度とも受講修了者の実績が載っている | 49% |
| 1〜2年度分だけ修了者の実績が載っている | 39% |
| 修了者の実績が0人、またはデータがない | 13% |
| 満足度(講座の全体評価)に回答が1件以上ある | 80% |
| 満足度に10件以上の回答がある | 52% |
※編集部調べ(2026年11月7日、400講座を無作為抽出。割合は四捨五入しているため合計が100%にならない場合があります。調べ方は記事の最後にまとめています)
3年分そろっている講座は約半分、満足度に10人以上が答えている講座も約半分でした。実績が少ないからといって、悪い講座というわけではありません。判断の材料が少ない分、無料カウンセリングなどで「受講している人はどんな人が多いですか?」と聞いてみると、イメージがつかみやすくなりますよ。
「最大80%」は、当てにしすぎないのが安心です
専門実践教育訓練の「最大80%」は、とても魅力的ですよね。ただ、これは修了後に賃金が受講前より5%以上上がった場合に受け取れる給付率です。
実際に、さきほどの400講座のうち、「講座修了後の賃金の状況」に回答があった講座の結果を合計してみました。
| 講座の区分 | 回答者(延べ) | 変わらない | 増えた | うち1割以上増えた |
|---|---|---|---|---|
| 専門実践 | 8,160人 | 56% | 41% | 11% |
| 特定一般 | 3,112人 | 78% | 14% | 7% |
| 一般 | 7,418人 | 68% | 27% | 11% |
※編集部調べ(2026年11月7日、400講座を無作為抽出。令和5〜7年度の回答者数を合計)
給付率がいちばん高い専門実践でも、修了後の賃金が「変わらない」と答えた人が半数以上でした。80%の条件である「5%以上の上昇」を満たした人の割合は、この表からは正確には分かりませんが、多くても4割ほどと考えられます。転職や昇給は、講座の内容だけで決まるものではないからです。
だからこそ、お金の計画は「70%(または50%)戻ってくる」前提で立てておき、80%は「受け取れたらうれしいボーナス」くらいに考えておくのがおすすめです。そうしておけば、あとで「思ったより戻ってこなかった……」と困ることもありません。
迷ったら、AIに整理を手伝ってもらうのも一つの手
詳細ページは情報量が多いので、読むだけで疲れてしまうこともあると思います。そんなときは、気になる講座の詳細ページの内容をAIに読み込ませて、「自分の目的に合っていそうか」「過去の実績から何が分かるか」を整理してもらうのも一つの方法です。
ただし、AIは読み間違えることもあります。最後の確認は、必ず元のページで行ってくださいね。
最後に、ハローワークで「自分が受け取れるか」を確認しましょう
検索システムで分かるのは、「その講座が給付金の対象かどうか」までです。自分が給付金を受け取れるかどうかは、雇用保険に入っていた期間などによって決まります。
また、専門実践教育訓練などは、受講を始める前に手続きが必要です。講座の詳細ページにも「訓練前キャリアコンサルティングの申し込み」のボタンがあります。
「手続きって難しそう……」と感じるかもしれませんが、ハローワークの窓口で聞けば丁寧に教えてもらえます。受講を決める前に、次のことを聞いておくと安心です。
- 自分が給付金の対象になるか(雇用保険に入っていた期間など)
- 受講前に必要な手続きと、その期限
- 受講を始める日が、講座の指定期間内に入っているか
この記事の調査について(編集部の調べ方)
- 調査日:2026年11月7日(検索システムの掲載情報は2026年10月31日時点)
- 使ったもの:厚生労働省「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」
- 条件:キーワードなし、実施方法は「通信(郵送)」と「通信(eラーニング)」のみ(検索結果865件)
- 選び方:検索結果に表示された講座1,989件から、400講座を無作為に抽出
- 確認した項目:各講座の詳細ページの「過去の実績」(令和5〜7年度)
- 注意:分野は絞っていないため、IT・AI以外(介護、語学など)の講座も含みます。400講座の調査なので、実際の全体の値とは数ポイント程度の差が出る可能性があります。個別の講座の名前や数値は掲載していません
まとめ
- 給付金の対象講座は、厚生労働省の検索システムで無料で調べられます
- オンライン講座を探すときは、実施方法を「通信」に切り替えましょう
- 詳細ページでは「指定期間」「給付率と費用」「過去の実績」を確認しましょう
- 「最大80%」は当てにしすぎず、70%(または50%)で計画しておくと安心です
- 最後はハローワークで、自分が受け取れるかと手続きを確認しましょう
スクールの広告だけで決めてしまわずに、公式の検索システムで一度確かめてみる。それだけで、講座選びの安心感はぐっと変わります。この記事が、あなたの新しい学びの第一歩のお役に立てたらうれしいです。
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」、厚生労働省「教育訓練給付制度」(いずれも2026年11月7日確認)


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